健康診断で「甲状腺に問題があるかも」と言われたら

学校や会社の健康診断で「甲状腺に問題があるかも」と言われて心配になったことはありませんか?

甲状腺は喉の前の部分にある小さな臓器で、体のエネルギーを調整する重要な役割を持っています。

もし健康診断で甲状腺のことが引っかかった場合、どうすればいいのか、このページでわかりやすく説明します。

 

健康診断で引っかかるってどういうこと?

 

甲状腺の役割

健康診断で「甲状腺に問題があるかもしれない」と言われた場合、多くの人は不安になるかもしれません。健康診断では、一般的に血液検査や超音波(エコー)検査によって甲状腺の状態がチェックされます。甲状腺は代謝を調整する重要なホルモンを分泌する器官であり、その機能が低下したり、逆に過剰になったりすると、体全体に影響を与える可能性があります。

健康診断で異常が指摘される場合、以下のような状況が考えられます:

- 甲状腺ホルモンの異常値:血液検査で甲状腺ホルモンの数値が正常範囲を外れている場合、甲状腺機能亢進症や甲状腺機能低下症が疑われます。
- 甲状腺の腫れや結節:エコー検査で甲状腺に腫れやしこり(結節)が見つかることがあります。これらは甲状腺の炎症や腫瘍の可能性を示唆することがあります。

健康診断で甲状腺に関する異常が見つかると、多くの場合は精密検査が推奨されます。特に異常値が軽微な場合、見逃されやすいため、専門の内分泌内科での精査が重要です。

たとえるなら、健康診断は体の「定期点検」のようなものです。車の点検で「エンジンがうまく動いていないかもしれない」と言われたら、すぐに修理工場に行って詳しく見てもらうのが大事ですよね。同じように、健康診断で引っかかったら、次は詳しい検査を受けることが大切です。

甲状腺機能低下症と妊娠・不妊治療

原因となる甲状腺の病気

甲状腺に関係する問題はいくつかあります。代表的なものを紹介します。

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)

この病気は、甲状腺が活発に働きすぎる状態で、体がエネルギーを作りすぎてしまいます。結果として、健康診断の血液検査で甲状腺ホルモンの量が多すぎると判明します。この場合、早めに医師の診察を受けることが大切です。たとえるなら、エンジンがフルスピードで走り続けてオーバーヒートしているようなイメージです。

甲状腺機能低下症

反対に、甲状腺がうまく働かないときには、甲状腺機能低下症という状態になります。エネルギーが十分に作られないため、体がだるくなったり、寒さに弱くなったりします。この場合も、血液検査で甲状腺ホルモンの量が少ないことがわかります。たとえるなら、エンジンが動かなくて車がスピードを出せないような状態です。

甲状腺腫

甲状腺が大きくなると、健康診断のエコー検査で「甲状腺が腫れている」と言われることがあります。この場合、喉に違和感を感じることもあります。たとえると、車のエンジンが大きくなりすぎて、フードが閉まらなくなっているようなイメージです。

厚生労働省 - 甲状腺の病気に関する情報

日本甲状腺学会 - 甲状腺疾患について

日本内分泌学会 - 甲状腺疾患について

健康診断で引っかかったらどうするの?

健康診断で甲状腺の問題が指摘された場合、慌てる必要はありませんが、適切な対策を講じることが重要です。次のステップとして、専門の医療機関での精密検査を受けることが推奨されます。

1. 専門医の受診
まずは内分泌内科や甲状腺専門のクリニックを受診しましょう。医師は、健康診断の結果をもとに、さらに詳細な検査を行い、異常が本当に存在するのか、どのような状態にあるのかを確認します。

2. 精密検査の実施
精密検査には、血液検査や甲状腺エコー、場合によっては細胞診などが含まれます。これにより、甲状腺ホルモンの状態や結節の性質を詳しく評価し、治療が必要かどうかを判断します。

- 血液検査:甲状腺ホルモン(T3、T4)や甲状腺刺激ホルモン(TSH)の数値を測定します。これにより、甲状腺機能低下症や亢進症の診断が可能です。
- 甲状腺エコー:甲状腺の大きさや形、結節の有無を確認します。エコーは痛みもなく、短時間で終わる検査です。
- 細胞診:結節が見つかった場合、細胞を採取してがんの有無を確認します。これは細い針を使って行われる簡単な手技です。(施行の際は専門の医療機関をご紹介します)

3. 治療計画の立案
精密検査の結果に基づき、医師が治療方針を決定します。場合によっては経過観察が必要なだけであったり、薬物療法や手術が検討されることもあります。早期発見の場合、適切な治療を受けることで症状の悪化を防ぐことができます。

たとえるなら、健康診断は「警報ランプが点いた」状態で、病院での詳しい検査が「原因を探るためのチェックリスト」のようなものです。

当院での甲状腺検査と治療 まとめ

当院では、健康診断で甲状腺に問題が見つかった方に、詳しい検査を提供しています。甲状腺の状態をしっかり確認し、

当院では、甲状腺に関するさまざまな異常についての精密な診断と治療を提供しています。健康診断で甲状腺の異常を指摘された場合も、安心してご相談ください。

1. 当日迅速検査の設備を使った検査
当院では、当日迅速で検査可能な医療機器を使用して、甲状腺の状態を詳細に評価します。特にエコー検査や血液検査は、短時間で結果が得られ、患者様に負担をかけることなく甲状腺の状態を確認することができます。当院では30分から40分で甲状腺ホルモンの結果が分かる機器を導入しております。

2. 個別に合わせた治療プラン
患者様一人ひとりの状態に合わせた治療プランを提案いたします。甲状腺ホルモンのバランスが崩れている場合は、ホルモン補充療法や抗甲状腺薬の処方を行います。また、甲状腺結節が見つかった場合は、結節の大きさや性質に応じた治療方針を立てます。

3. 継続的なフォローアップ
甲状腺の異常は、定期的なフォローアップが重要です。当院では、定期的に甲状腺ホルモンのレベルをモニタリングし、治療の効果を確認しながら患者様の健康をサポートします。長期的な健康維持のためにも、定期検査や診察を通じて適切な治療を続けていきます。

4. 生活習慣の改善サポート
甲状腺の健康は、生活習慣にも大きく影響を受けます。当院では、患者様に対して栄養バランスや運動、ストレス管理の重要性についてアドバイスを行い、総合的な健康管理をサポートしています。

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まとめ

健康診断で「甲状腺に問題があるかも」と言われたら、まずは冷静に対応し、専門医の診察を受けることが大切です。甲状腺は、体全体の代謝をコントロールする重要な器官であり、早期発見・早期治療が症状の進行を防ぎ、健康を取り戻すための鍵となります。

当院では、甲状腺に関する精密な検査と治療を提供し、患者様一人ひとりに合わせた治療計画を立てております。甲状腺に関する不安や疑問がある場合は、ぜひ当院にご相談ください。

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監修者プロフィール
院長 山田 朋英 (Tomohide Yamada)
医学博士 (東京大学)

山田院長は、糖尿病・甲状腺・内分泌内科の専門医であり、東京大学で医学博士号を取得しています。東大病院での指導医としての経験や、マンチェスター大学、キングスカレッジロンドンでの客員教授としての国際的な研究経験を持ち、生まれ故郷の蒲田でクリニックを開院しました。

資格・専門性
- 日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医・研修指導医
- 日本内科学会 総合内科専門医

豊富な臨床と研究の経験を活かし、糖尿病や甲状腺疾患における最新の治療を提供しています。

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