はじめに:甲状腺ホルモンが体重に与える影響とは?
甲状腺は、体内の代謝を司る非常に重要な器官です。甲状腺ホルモン(T3、T4)はエネルギー消費、脂肪代謝、心臓や筋肉の働きに影響を与えるため、その分泌異常が体重増減に直結することがあります。多くの患者様が、甲状腺機能に問題があると体重が急激に変動すると感じ、体重管理に悩むケースが増えています。
本記事では、甲状腺と体重の関係について最新の研究やガイドラインを基に解説し、甲状腺機能の異常が太りやすい、または痩せやすい体質にどのように影響するかを詳しくご説明します。また、当院が提供する治療方法についてもご紹介します。
甲状腺機能亢進症と体重減少
甲状腺機能低下症と体重増加
甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの分泌が低下することで代謝が落ち、結果的に体重が増加することが多いです。この状態は、特に中年女性に多く見られ、体重増加に伴う生活習慣病のリスクも増します。
- 基礎代謝の低下:甲状腺ホルモンが不足すると、体の基礎代謝が低下し、摂取カロリーがエネルギーとして消費されず、脂肪として蓄積されやすくなります。これにより、無理なく体重が増加します。
- 水分の貯留:甲状腺機能低下症では、むくみや水分の貯留が起こりやすく、実際の脂肪増加ではなく水分の増加によって体重が増えることもあります。
- 食欲の減退にも関わらず体重増加:甲状腺機能低下症の一部の患者は、食欲が低下しても体重が増加する傾向があります。これは、体の代謝が低下しているため、エネルギーが効率よく消費されないことが原因です。
甲状腺機能低下症は、うつ症状や疲労感、便秘などの症状も伴うため、体重管理の一環としても早期の治療が推奨されます。
甲状腺疾患と体重変動に関する知見
近年の学会報告や厚生労働省のガイドラインによれば、甲状腺ホルモンの異常が体重に与える影響はますます注目されています。最新の研究によると、甲状腺ホルモンの微細な変化でも体重に影響を与える可能性があるとされており、以下のような知見が得られています。
- サブクリニカル甲状腺機能低下症:臨床的に明確な甲状腺機能低下症でなくても、軽度のホルモン不足が体重増加の一因となることが示唆されています。軽微なホルモン異常でも体重変動が見られるため、定期的なホルモンチェックが重要です。
- 生活習慣と甲状腺ホルモンの関係:近年の研究では、運動や食事のバランスが甲状腺ホルモンの分泌に影響を与えることが分かってきています。特に、過剰なストレスや不規則な生活は、甲状腺機能に悪影響を及ぼすことがあるため、生活習慣の見直しが推奨されています。
これらの研究結果は、甲状腺疾患による体重変動が一時的なものではなく、ホルモンバランスと密接に関連していることを示しています。甲状腺ホルモンの適切な管理が、体重維持において重要な役割を果たします。
当院でのサポート:甲状腺疾患による体重管理と治療
当院「蒲田駅前やまだ内科糖尿病・甲状腺クリニック」では、甲状腺疾患に伴う体重増減に対して、包括的な診療とサポートを提供しています。甲状腺ホルモンのバランスを整えることで、体重管理の改善を目指し、健康的な生活をサポートします。
甲状腺疾患に伴う体重変動でお悩みの方は、ぜひ当院にご相談ください。専門的な診断と治療で、体重管理をサポートいたします。