インスリン注射が寿命に与える影響

インスリンって何?:寿命にどんな影響があるの?

糖尿病の治療の中でも、インスリン注射はとても大切な役割を果たします。インスリンは、体の中で血糖値(血液中の糖の量)をコントロールするために必要なホルモンです。しかし、インスリン注射を始めることに対して不安を感じる方も多いかもしれません。「インスリン注射を続けると、寿命に影響があるの?」と心配することもあるでしょう。このページでは、インスリン注射が寿命に与える影響と、最近の内服薬の進歩についてわかりやすく説明します。


インスリンは、体の中で血糖値を下げるために必要なホルモンです。健康な人では、食事をすると体が自然にインスリンを作り出し、血糖値をコントロールします。しかし、糖尿病の人は、インスリンが十分に作られなかったり、インスリンがうまく働かなくなってしまうことがあります。そこで、外からインスリンを注射することで、体の中の血糖値を調整する必要があります。たとえるなら、インスリンは「体の中で砂糖(血糖)を片付ける掃除機」のようなものです。この掃除機が壊れていると、体に砂糖がたまりすぎてしまうため、外から新しい掃除機を使って掃除を手伝う必要があるのです。

インスリン注射を始めると、「ずっと注射を続けないといけないの?」や「寿命に影響があるの?」と不安に感じるかもしれません。しかし、実際には、インスリン注射を適切に使うことで、糖尿病による合併症を防ぎ、健康的な生活を送ることができるのです。インスリン注射は、寿命を短くするどころか、逆に糖尿病が原因で起こる病気を防ぎ、寿命を延ばすための大切な治療方法です。たとえるなら、インスリン注射は「体のエンジンをスムーズに動かすためのオイル」のような役割を果たします。オイルがなければエンジンが壊れてしまうように、インスリン注射がないと体の調子が悪くなり、病気が進行してしまうことがあります。

糖尿病治療にインスリンは必要?内服薬で血糖値を安定させるためのポイント

最近の内服薬の進歩とインスリン卒業の可能性

最近では、糖尿病治療の内服薬も大きく進歩しています。これにより、多くの患者さんがインスリン注射をしなくても、内服薬だけで血糖値をコントロールできるようになってきています。実際、インスリン注射を始めた患者さんでも、内服薬に切り替えてインスリンから卒業できるケースが増えています。このため、インスリン治療に不安がある方も、まずは気軽に医師に相談してみてください。

たとえるなら、以前は壊れた掃除機を取り替えなければならなかったところが、今ではもっと使いやすくて効果的な掃除道具が増えてきた、という感じです。

ただし、糖尿病の患者様の中には、インスリン分泌不全になっている場合は、インスリン注射は必要となりますので、この際はインスリンの種類や単位数について、体重やインスリン抵抗性、他の糖尿病薬の併用など総合的に勘案して最適な治療を決定しております。

インスリン注射で寿命を守るために大切なこと

インスリン注射や内服薬を正しく使うことで、糖尿病の合併症(心臓や目、腎臓などの問題)を予防し、健康を保つことができます。治療方法は、医師と相談しながら自分に合ったものを選び、生活習慣にも気をつけることが重要です。たとえるなら、インスリン注射や内服薬は「体の調子を整えるメンテナンス工具」のようなもので、正しく使うことで、体が長持ちし、元気に動くようになります。

インスリン注射に不安がある場合は?

もしインスリン注射に不安がある場合は、まず医師に相談しましょう。インスリン注射は、正しく使えば安全で、生活の質を向上させるための大切な治療法です。また、最近の内服薬の選択肢が増えていることもありますので、一緒に最適な治療法を見つけることができます。

たとえるなら、初めて自転車に乗る時のように、少し練習が必要ですが、慣れるとスムーズにできるようになりますし、新しい自転車も選べるようになっています。

当院でのサポート

当院では、インスリン注射や内服薬に関する指導やサポートを丁寧に行っています。患者さん一人ひとりに合った治療プランを提供し、安心して治療を進められるようお手伝いします。不安や疑問があれば、いつでもご相談ください。
インスリン注射は、糖尿病治療においてとても大切な役割を果たしています。また、最近の内服薬の進歩により、インスリン注射から卒業できる可能性も広がっています。不安がある方は、ぜひ当院にご相談ください。私たちがしっかりサポートいたします。

厚生労働省 - 糖尿病に関する情報
日本糖尿病学会 -糖尿病について
国立国際医療研究センター - 糖尿病について

 

監修者プロフィール
院長 山田 朋英 (Tomohide Yamada)
医学博士 (東京大学)

山田院長は、糖尿病・甲状腺・内分泌内科の専門医であり、東京大学で医学博士号を取得しています。東大病院での指導医としての経験や、マンチェスター大学、キングスカレッジロンドンでの客員教授としての国際的な研究経験を持ち、生まれ故郷の蒲田でクリニックを開院しました。

資格・専門性
日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医・研修指導医
日本内科学会 総合内科専門医
豊富な臨床と研究の経験を活かし、糖尿病や甲状腺疾患における最新の治療を提供しています。

 

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