カーボカウントとは?

カーボカウントとは?糖尿病の食事管理をわかりやすく解説

「カーボカウント」とは、糖尿病の食事管理に役立つ方法で、炭水化物(カーボ)の量を計算して食事の計画を立てるものです。これにより、予め炭水化物に対するインスリンの量を事前に調整し、高血糖や低血糖を予防し、適切な血糖値を維持することを目的とするものです。このページでは、カーボカウントの基本から、具体的な計算方法までをわかりやすく説明します。

カーボカウントの具体的な計算方法

 

カーボカウントの計算は、まず食べ物に含まれる炭水化物量を正確に把握することが大切です。次に、自分の「インスリン・カーボ比率(ICR)」を用いて、必要なインスリンの量を決定します。
 
① 食事の炭水化物量の計算
まず、食べる予定の食品に含まれる炭水化物の量を計算します。食品のパッケージに栄養成分表示があれば、その炭水化物量(g)を確認します。また、パッケージに記載がない場合は、食材ごとの炭水化物量を把握するための食材データベースやアプリを使用することも可能です。
 
たとえば、以下のような食品の炭水化物量を計算します。
 
おにぎり1個(約100g):40gの炭水化物
食パン1枚(約60g):30gの炭水化物
りんご1個(約200g):25gの炭水化物
 
② インスリン・カーボ比率(ICR)の計算
インスリン・カーボ比率(ICR)は、「1単位のインスリンがどれくらいの炭水化物を処理できるか」を示す比率です。個人ごとに異なりますが、一般的にはICR=10〜15gが多いです。例えば、ICRが10gの場合、1単位のインスリンで10gの炭水化物を処理できます。
 
③ 必要なインスリン量の計算
次に、食事の炭水化物量に基づいて、必要なインスリン量を計算します。インスリンの必要量は、以下の式で計算できます。
 
インスリン量 = 炭水化物量(g) ÷ ICR
 
例えば、40gの炭水化物を含むおにぎり1個を食べる場合、ICRが10gなら:
 
40g ÷ 10g = 4単位のインスリン
 
つまり、このおにぎりを食べる前に4単位のインスリンを投与する必要がある、という計算になります。

 

カーボカウントで血糖値をコントロールする理由

カーボカウントは、糖尿病管理において重要です。食事の炭水化物量に合わせてインスリンを調整することで、血糖値の急激な上昇や低下を防ぐことができます。また、血糖値を安定させることで、長期的な健康管理にもつながります。

カーボカウントが向いている人

カーボカウントは、主に1型糖尿病やインスリンを使用している2型糖尿病の方に向いています。インスリン療法を行っている人にとって、食事の炭水化物量に応じてインスリンを調整することで、より正確に血糖値をコントロールすることが可能です。

当院でのサポート

 

当院では、カーボカウントの指導を行っています。糖尿病の管理が難しいと感じている方や、カーボカウントを始めてみたい方は、ぜひ一度ご相談ください。専門の医師や栄養士が、あなたに合った方法を提案し、健康をサポートします。
カーボカウントは、食事の中に含まれる炭水化物の量を計算し、それに基づいてインスリンを調整する方法です。正確に行うことで、糖尿病の管理がしやすくなります。カーボカウントを通じて健康を維持し、安心して生活を送りましょう。当院では、カーボカウントの詳しいサポートを行っていますので、ご相談ください。

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監修者プロフィール
院長 山田 朋英 (Tomohide Yamada)
医学博士 (東京大学)

山田院長は、糖尿病・甲状腺・内分泌内科の専門医であり、東京大学で医学博士号を取得しています。東大病院での指導医としての経験や、マンチェスター大学、キングスカレッジロンドンでの客員教授としての国際的な研究経験を持ち、生まれ故郷の蒲田でクリニックを開院しました。

資格・専門性
- 日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医・研修指導医
- 日本内科学会 総合内科専門医

豊富な臨床と研究の経験を活かし、糖尿病や甲状腺疾患における最新の治療を提供しています。

厚生労働省 - 糖尿病に関する情報
日本糖尿病学会 -糖尿病について
国立国際医療研究センター - 糖尿病について

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