甲状腺機能低下症の症状をチェックしよう!

甲状腺機能低下症ってどんな病気?

「甲状腺機能低下症」という病気は、甲状腺が十分に働かなくなることで、体にいろいろな不調が現れる状態です。甲状腺は、体のエネルギーをコントロールする役割をしているので、調子が悪くなると体が元気をなくしてしまいます。このページでは、甲状腺機能低下症の症状をチェックできるように、わかりやすく説明します。

甲状腺機能低下症とは、甲状腺が十分な量のホルモンを生成できない状態を指します。甲状腺ホルモンは、体の新陳代謝を調整する重要な役割を持っています。このホルモンが不足すると、体のエネルギーを効率的に使用できなくなり、さまざまな症状が現れます。甲状腺ホルモンの低下は、全身の代謝を遅らせ、体調の変化や不調を引き起こす原因となります。
 
甲状腺機能低下症は、特に女性に多く見られ、加齢とともにそのリスクが高まります。また、自己免疫疾患である橋本病が原因で発症することが多く、他にも手術や放射線治療後に甲状腺がダメージを受ける場合や、甲状腺炎などによっても発症することがあります。
 
甲状腺ホルモンの役割
甲状腺ホルモンは、体のさまざまな機能に影響を与える重要なホルモンです。これには、体温の調整、心拍数のコントロール、エネルギーの生産、消化機能のサポートなどが含まれます。甲状腺ホルモンが不足すると、これらの機能が正常に働かず、体全体に影響を与えることになります。

たとえるなら、甲状腺機能低下症は「エンジンが動かなくなって、車がゆっくりしか進まなくなる」ような状態です。

甲状腺機能低下症(橋本病)

甲状腺機能低下症の主な症状をチェックしよう

甲状腺機能低下症には、さまざまな症状があります。以下の症状に心当たりがある場合は、医師に相談してみることをおすすめします。

甲状腺機能低下症の症状は、初期段階では軽度で見過ごされがちですが、進行すると次第に深刻な症状が現れることがあります。以下に、代表的な症状を紹介します。

1. 疲れやすい、無気力
甲状腺ホルモンが不足すると、体のエネルギー代謝が低下し、慢性的な疲労感や無気力が生じます。日常生活での活力が低下し、休息を取っても疲れが取れにくい状態が続く場合、甲状腺機能低下症の可能性があります。

2. 体重増加
甲状腺機能低下症では、代謝が低下するため、カロリー消費が減り、結果的に体重が増加しやすくなります。食事量や運動習慣が変わらないにもかかわらず、急激に体重が増える場合は、甲状腺機能低下が原因である可能性があります。

3. 寒がり
甲状腺ホルモンは体温調整にも関与しており、不足すると寒さに敏感になります。特に手足が冷えやすくなるなど、寒がりの症状が強まることがあります。

4. 肌や髪の乾燥
甲状腺機能低下症では、肌や髪の健康にも影響が出ます。肌が乾燥しやすくなり、髪が抜けやすくなることがあります。髪が薄くなる、皮膚がカサカサするなどの変化も、甲状腺機能の低下による影響です。

5. 気分の落ち込みや記憶力の低下
甲状腺ホルモンは、脳の機能にも影響を与えます。不足すると、気分が落ち込みやすくなったり、記憶力や集中力が低下することがあります。軽度のうつ症状や精神的な不安感も、甲状腺機能低下症に関連している場合があります。

甲状腺機能低下症の早期発見が大切

甲状腺機能低下症は、症状が徐々に進行するため、見逃されやすい病気です。しかし、早期発見と適切な治療を受けることで、症状を効果的に管理し、健康を取り戻すことが可能です。
 
1. 早期の診断が症状の悪化を防ぐ
甲状腺機能低下症の症状が進行すると、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。例えば、長期間治療を受けないままでいると、心臓や血圧にも悪影響を及ぼし、重篤な合併症を引き起こすことがあります。また、仕事や家事が思うように進まなくなり、生活の質が低下することも考えられます。
 
定期的な健康診断や、症状が現れた際の迅速な検査が、甲状腺機能低下症の早期発見に繋がります。血液検査によって、甲状腺ホルモンのレベル(T3、T4)や、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の値を確認することができ、診断が確定されます。
 
2. 甲状腺機能低下症の治療
甲状腺機能低下症の治療には、ホルモン補充療法が一般的です。レボチロキシンという合成甲状腺ホルモンを服用し、不足しているホルモンを補います。この治療法は、通常一生続ける必要がありますが、正しく治療を続ければ、甲状腺ホルモンの不足による症状を改善し、日常生活を正常に送ることが可能です。
 
治療開始後は、定期的な血液検査を行い、ホルモンのバランスが正常範囲内に保たれているかを確認します。医師の指導のもと、適切な治療を続けることが、健康を取り戻すための重要なステップです。

 

当院でのサポート

当院では、甲状腺機能低下症の診断と治療を専門的に行っています。患者様一人ひとりに合わせた治療計画を提供し、甲状腺機能の回復をサポートします。
 
1. 詳細な診断と血液検査
甲状腺機能低下症が疑われる場合、まずは詳細な血液検査を行い、甲状腺ホルモン(T3、T4)や甲状腺刺激ホルモン(TSH)のレベルを確認します。正確な診断に基づき、最適な治療を提供いたします。
 
2. 個別に合わせた治療プラン
患者様の状態や症状に応じて、ホルモン補充療法の量を調整し、定期的なフォローアップを行います。甲状腺ホルモンのバランスが正常範囲に保たれるよう、継続的なサポートを提供します。
 
3. 生活改善のアドバイス
甲状腺機能低下症の治療だけでなく、生活習慣の改善にも重点を置いています。バランスの取れた食事や適度な運動、ストレス管理が、甲状腺機能をサポートする大切な要素です。当院では、患者様に対して総合的な健康管理のアドバイスを行い、日常生活で実践できる方法を提供します。
 
4. 継続的なサポート体制
甲状腺機能低下症の治療は長期間にわたることが多いため、当院では患者様の状態を定期的にフォローし、必要に応じて治療プランの見直しを行います。治療を続けながら、甲状腺機能が安定するよう、患者様と共に取り組んでまいります。
 
まとめ
 
甲状腺機能低下症は、体の代謝を低下させる甲状腺ホルモンの不足によって引き起こされる病気です。早期発見と適切な治療によって、症状を管理し、健康な生活を取り戻すことが可能です。慢性的な疲労感や体重増加、寒がりなどの症状がある場合
 
は、早めの診断が重要です。当院では、専門的な診断と治療を通じて、患者様の健康をサポートしています。甲状腺に関する不安や疑問がある方は、ぜひご相談ください。
 
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## 監修者プロフィール  
**院長 山田 朋英 (Tomohide Yamada)**  
**医学博士 (東京大学)**  
 
山田院長は、糖尿病・甲状腺・内分泌内科の専門医であり、東京大学で医学博士号を取得しています。東大病院での指導医としての経験や、マンチェスター大学、キングスカレッジロンドンでの客員教授としての国際的な研究経験を持ち、生まれ故郷の蒲田でクリニックを開院しました。
 
**資格・専門性**  
- 日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医・研修指導医  
- 日本内科学会 総合内科専門医  
 
豊富な臨床と研究の経験を活かし、糖尿病や甲状腺疾患における最新の治療を提供しています。
 
 
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