はじめに:甲状腺疾患の重要性と早期発見の必要性
甲状腺は首の前方に位置し、体の代謝を調節する重要なホルモンを分泌しています。このホルモンバランスが崩れると、甲状腺機能低下症や甲状腺機能亢進症といった疾患を引き起こし、生活の質に大きな影響を与えます。これらの疾患は、初期段階では他の病気やストレスと混同されやすく、気づかないまま放置されることも多いため、早期の発見と適切な治療が重要です。
蒲田駅前やまだ内科糖尿病・甲状腺クリニックでは、甲状腺疾患の早期発見を目指し、最新の医療技術を用いた診断と患者様一人ひとりに合わせた治療を提供しています。本記事では、甲状腺疾患の早期発見に役立つ具体的な症状や当院での診療内容について詳しく解説します。
厚生労働省 - 甲状腺の病気に関する情報
甲状腺疾患の種類とそれぞれの特徴
甲状腺疾患は大きく「甲状腺機能低下症」「甲状腺機能亢進症」「甲状腺結節・腫瘍」の3つに分けられます。それぞれの疾患の特徴と主な症状を知ることで、早期発見に役立てることができます。
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甲状腺機能低下症(橋本病など)
甲状腺ホルモンの分泌が不足することで、全身の代謝が低下します。代表的な症状としては、慢性的な疲労感、体重増加、むくみ、寒がり、便秘、抑うつ感などが挙げられます。特に女性に多く見られ、加齢とともに発症率が高まります。 -
甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)
甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、代謝が亢進することでさまざまな症状が現れます。体重減少、動悸、過剰な発汗、手の震え、イライラ感、精神的不安定などが見られます。こちらも女性に多く、特に20代から40代の女性に発症しやすいです。 -
甲状腺結節・腫瘍
甲状腺にしこり(結節)や腫瘍ができることがあります。多くは良性ですが、悪性の場合は甲状腺がんの可能性があります。しこりが大きくなる、声がかすれる、飲み込みづらいといった症状が見られる場合は、早期に医療機関を受診することが重要です。
これらの疾患は、症状が進行すると日常生活に支障をきたし、さらに深刻な合併症を引き起こすこともあります。少しでも体調に異変を感じたら、早めの受診をお勧めします。
見逃しやすい甲状腺疾患の症状に注意
甲状腺疾患の症状は、他の病気やストレスと重なることが多く、気づきにくい場合が少なくありません。以下に、特に注意すべき見逃しやすい症状を挙げてみましょう。
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慢性的な疲労感や倦怠感
休息を取っても疲れが取れず、日常生活に支障をきたす場合は、甲状腺機能の異常を疑う必要があります。特に身体的な活動をしていないのに常に疲れている、朝起きるのがつらいといった症状は甲状腺機能低下症のサインかもしれません。 -
体重の急激な変化
食生活や運動習慣が変わっていないにもかかわらず、急激な体重増減が見られる場合は、甲状腺ホルモンの異常が原因である可能性があります。甲状腺機能低下症では体重が増加し、甲状腺機能亢進症では逆に体重減少がみられます。 -
精神的な変調
抑うつ感、不安感、イライラ、集中力の低下などの精神的な症状も、甲状腺ホルモンのバランスの乱れと関連していることがあります。特にこれらの症状が長期間続く場合は、甲状腺の検査を受けることを検討しましょう。 -
心拍数の異常や動悸
甲状腺ホルモンの過剰分泌は心拍数に影響を与え、動悸や息切れ、脈拍の異常を引き起こします。逆に、ホルモンが不足すると心拍数が遅くなることもあります。 -
肌や髪の状態の変化
乾燥肌や髪の毛の抜け毛、爪がもろくなるといった変化も、甲状腺ホルモンの異常と関連しています。これらの変化が続く場合、甲状腺の異常を疑い、検査を受けることが大切です。
当院での甲状腺疾患の診断・治療の流れ
蒲田駅前やまだ内科糖尿病・甲状腺クリニックでは、甲状腺疾患の早期発見と治療を目的とした診療を行っています。当院での診断・治療の流れを以下に説明します。
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診察・問診
最初に、患者様の症状や生活習慣、既往歴などを詳しくお伺いします。特に甲状腺疾患の家族歴がある場合は、発症リスクが高いため、注意深く評価します。 -
血液検査
甲状腺ホルモン(T3、T4)および甲状腺刺激ホルモン(TSH)のレベルを測定します。これにより、甲状腺の機能状態を正確に把握し、甲状腺機能低下症や甲状腺機能亢進症の診断を行います。 -
超音波検査(エコー検査)
甲状腺の大きさや形状、結節や腫瘍の有無を詳細に確認します。しこりや腫瘍がある場合には、その性質を評価し、必要に応じて追加の検査や専門医療機関への紹介を行います。 -
治療方針の決定
診断結果に基づき、患者様に最適な治療法を提案します。甲状腺機能低下症の場合はホルモン補充療法、甲状腺機能亢進症の場合は抗甲状腺薬や放射性ヨード療法を行います。結節や腫瘍がある場合は、手術や放射線療法などの選択肢も検討します。 -
定期的なフォローアップ
治療後も、定期的に血液検査や診察を行い、治療効果の確認と薬の調整を行います。長期的な管理を通じて、患者様の健康状態を維持し、生活の質を高めることを目指しています。
当院では、患者様一人ひとりの状態に合わせたオーダーメイドの治療を提供し、安心して治療を受けていただける環境を整えています。
甲状腺疾患の予防と生活習慣の見直し
甲状腺疾患のリスクを減らし、健康を維持するためには、日常生活の中で以下の点に注意することが大切です。
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バランスの取れた食事
甲状腺ホルモンの合成に必要な栄養素(ヨウ素、セレン、亜鉛など)を適度に摂取することが大切です。特に、ヨウ素は海藻類に多く含まれていますが、過剰摂取は逆効果になることがあるため、バランスを考えて摂取しましょう。 -
適度な運動
軽い有酸素運動やストレッチは、基礎代謝を高め、ホルモンバランスの維持に役立ちます。ウォーキングやヨガなどを習慣的に行うことをお勧めします。 -
ストレス管理
ストレスは甲状腺機能に悪影響を与えることがあります。深呼吸、瞑想、趣味の時間を設けるなど、リラックスできる時間を積極的に取り入れましょう。 -
定期的な健康チェック
少しでも体調に異変を感じたら、早めに医療機関を受診し、検査を受けることが重要です。特に家族歴がある方や女性は、定期的な甲状腺検査を受けることをおすすめします。
当院では、甲状腺疾患の予防と早期発見のために、患者様に適切なアドバイスを提供し、健康管理をサポートしています。
監修者プロフィール
院長 山田 朋英 (Tomohide Yamada)
医学博士 (東京大学)
山田院長は、糖尿病・甲状腺・内分泌内科の専門医であり、東京大学で医学博士号を取得しています。東大病院での指導医としての経験や、マンチェスター大学、キングスカレッジロンドンでの客員教授としての国際的な研究経験を持ち、生まれ故郷の蒲田でクリニックを開院しました。
資格・専門性
- 日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医・研修指導医
- 日本内科学会 総合内科専門医
豊富な臨床と研究の経験を活かし、糖尿病や甲状腺疾患における最新の治療を提供しています。