隠れ糖尿病って何?

隠れ糖尿病って何?

隠れ糖尿病という言葉を耳にしたことはあるでしょうか?隠れ糖尿病とは、明確な糖尿病の診断が下されていない状態でありながら、実は体内で血糖値が異常に高く、糖尿病の予備軍として知られる状態です。健康診断などで空腹時の血糖値が正常であっても、食後の血糖値が高くなることがあり、これが隠れ糖尿病の特徴です。

隠れ糖尿病は、自覚症状がないため、発見が遅れることが多く、放置すると本格的な糖尿病へと進行するリスクがあります。糖尿病は一度進行すると、完全に治すことが難しい病気ですので、隠れ糖尿病の段階で早期発見し、対策を講じることが非常に重要です。

隠れ糖尿病ってどういう状態?

隠れ糖尿病とは、主に空腹時の血糖値が正常範囲内でありながら、食後に血糖値が急激に上昇する状態を指します。具体的には、空腹時血糖が110mg/dL未満であっても、食後2時間後の血糖値が140mg/dL以上になる場合、隠れ糖尿病と考えられることがあります。このような状態は、耐糖能異常と呼ばれ、糖尿病の前段階とされています。

耐糖能異常の段階では、まだ日常生活に支障をきたすほどの症状はありませんが、血糖値の上昇が繰り返されることで、徐々に体内に負担がかかり、やがてインスリンの分泌が追いつかなくなり、糖尿病に移行します。特に肥満や不規則な食生活、運動不足が関与していることが多く、生活習慣を見直すことが予防に繋がります。

厚生労働省 - 糖尿病に関する情報
日本糖尿病学会 -糖尿病について
国立国際医療研究センター - 糖尿病について

隠れ糖尿病に気づくサインは?

隠れ糖尿病の怖いところは、ほとんど自覚症状がない点です。しかし、いくつかの兆候に注意を払うことで、隠れ糖尿病に気づくことができます。以下のようなサインがある場合は、早めの検査が必要です。

1. 食後の強い眠気
食後に強い眠気を感じる場合は、血糖値が急激に上昇している可能性があります。これは、インスリンの働きが追いつかず、血糖が体に吸収されにくくなっていることを示しているかもしれません。

2. 異常な口渇
糖尿病に特徴的な症状の一つとして、のどが渇いて水分を頻繁に摂りたくなるという症状があります。これは血糖値が高い状態が続くことで、体が糖を尿として排出しようとし、脱水状態になるためです。

3. 頻繁な尿意
隠れ糖尿病では、頻尿になることもよくあります。特に夜間に何度もトイレに行きたくなる場合、血糖値が高くなりすぎているサインかもしれません。

4. 疲労感や体重の減少
インスリンの働きが不十分だと、体内でエネルギーが十分に作られないため、疲れやすくなります。また、血糖値の高い状態が続くと、体が筋肉や脂肪をエネルギー源として使い始めるため、食事量が変わらなくても体重が減少することがあります。

これらの兆候が見られる場合は、隠れ糖尿病の可能性がありますので、すぐに専門医に相談することをおすすめします。

隠れ糖尿病を防ぐためには?

隠れ糖尿病は、生活習慣の改善によって予防・管理することが可能です。以下のポイントに気をつけることで、隠れ糖尿病を防ぎ、糖尿病への進行を防ぐことができます。

1. バランスの取れた食事
食事の管理は隠れ糖尿病の予防において非常に重要です。特に、食後高血糖を防ぐためには、糖質を過剰に摂取しないことが大切です。また、野菜やタンパク質を先に摂り、炭水化物を後から摂ることで、血糖値の急上昇を抑えることができます。

2. 適度な運動
運動はインスリンの働きを改善し、血糖値を正常に保つために有効です。特に、有酸素運動(ウォーキング、サイクリングなど)や筋力トレーニングは、血糖値の管理に効果的です。毎日30分程度の運動を心がけましょう。

3. 体重管理
肥満はインスリン抵抗性の原因となり、隠れ糖尿病のリスクを高めます。適正な体重を維持することで、インスリンの効果を高め、血糖値のコントロールを容易にします。減量が必要な場合は、無理のない範囲で少しずつ体重を減らしていくことが大切です。

4. 定期的な健康診断
隠れ糖尿病は自覚症状が少ないため、定期的に健康診断を受けることが重要です。特に、糖尿病の家族歴がある方や、肥満、運動不足、偏った食生活が続いている方は、空腹時血糖値だけでなく、75gOGTT(ブドウ糖負荷試験)などの詳しい検査を受けることで、隠れ糖尿病を早期に発見することが可能です。

当院でのサポート

 

当院では、糖尿病や隠れ糖尿病の早期発見と治療に力を入れています。患者様一人ひとりに合った治療方法を提案し、生活習慣の改善をサポートすることで、糖尿病の進行を予防します。

1. 詳細な検査
当院では、空腹時血糖値だけでなく、75gOGTT(ブドウ糖負荷試験)などの検査を行い、隠れ糖尿病の早期発見に努めています。また、HbA1c(過去2~3か月の血糖値の平均値)の測定も行い、血糖値の変動を正確に把握します。

2. 食事療法と運動療法の提案
糖尿病予防には、食事と運動が重要です。当院では、専門の栄養士がバランスの取れた食事プランを提案し、運動指導士が患者様に適した運動プログラムを提供しています。これにより、血糖値の安定化を目指します。

3. 継続的なフォローアップ
隠れ糖尿病の管理には、定期的なフォローアップが欠かせません。当院では、定期的な検査や診察を通じて、患者様の状態を継続的にモニタリングし、必要に応じて治療計画を見直しています。

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まとめ

隠れ糖尿病は、症状がないため見過ごされがちですが、早期に発見し対策を講じることで、糖尿病への進行を防ぐことができます。生活習慣の改善や定期的な健康診断を心がけ、隠れ糖尿病を予防しましょう。当院では、隠れ糖尿病の早期発見と治療に力を入れており、患者様の健康維持を全力でサポートいたします。自分が隠れ糖尿病かもしれないと感じた方は、ぜひ当院にご相談ください。

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監修者プロフィール
**院長 山田 朋英 (Tomohide Yamada)**
**医学博士 (東京大学)**

山田院長は、糖尿病・甲状腺・内分泌内科

の専門医であり、東京大学で医学博士号を取得しています。東大病院での指導医としての経験や、マンチェスター大学、キングスカレッジロンドンでの客員教授としての国際的な研究経験を持ち、生まれ故郷の蒲田でクリニックを開院しました。

**資格・専門性**
- 日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医・研修指導医
- 日本内科学会 総合内科専門医

豊富な臨床と研究の経験を活かし、糖尿病や甲状腺疾患における最新の治療を提供しています。

 

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