頭痛の『痛み方が変わった』と感じたら注意が必要です
一般的には知られていませんが、甲状腺疾患は頭痛の性状を変化させたり、悪化させたりすることがあります。
バセドウ病と頭痛
バセドウ病は甲状腺疾患の一種です。症状は個人差がありますが、主なものには動悸や指の震え、暑がり、体重減少などが挙げられます。精神面にも影響が生じ、落ち着きがなくなったり、イライラしやすくなったりすることもあります。
片頭痛がある方がバセドウ病を発症した場合、脳の代謝機能が亢進し、さらに片頭痛が激しくなることがあります。
橋本病と頭痛
橋本病も頭痛と関わりがあります。橋本病では、むくみ、疲労感、寒がり、食欲低下などの症状を示します。また、眠気が強くなる、皮膚の乾燥や抜け毛症状が起こることもあります。
片頭痛がある方が橋本病を発症した場合、頭痛の性状に変化が現れ、ズキンズキンと脈打つように痛む状態から、緊張型頭痛のような頭重感に変化していきます。
女性は特に気を付ける必要があります
甲状腺疾患は比較的女性に多く、上記に示すような頭痛を感じた場合は注意が必要です。
甲状腺疾患が女性に起こりやすい理由
なぜ女性の方が甲状腺疾患の発症数が多いのかは明らかになっていません。一説ではバセドウ病や橋本病は自己免疫が関与していると考えられており、女性は自己免疫疾患にかかりやすいことから、女性に甲状腺疾患が起こりやすいのではないかと言われています。
そもそも自己免疫疾患とは
免疫が正常な場合、ウイルスや細菌のような異物(抗原)が身体に入ってくると、このような異物から身体を守るために抗体ができ、次に同種の異物が入ってきたときに、抗体がこれを攻撃して抑える働きをします。
例えば、はしかを発症した場合、抗体が作られることで、それ以降ははしかを発症しにくくなります。 自己免疫とは、免疫が異物だけでなく、自身の正常な組織を異物と誤って認識して抗体を作り、攻撃してしまう現象です。自己免疫が生じると、多様な障害を招きます。なお、原因については未だはっきりしていません。
自己免疫が原因となり発症する疾患を自己免疫疾患と呼び、その代表疾患としてバセドウ病や橋本病が知られています。
厚生労働省 - 甲状腺の病気に関する情報
日本甲状腺学会 - 甲状腺疾患について
日本内分泌学会 - 甲状腺疾患について
頭痛が気になる方は当院までご相談ください
頭痛の痛み方が変わったと感じた場合、甲状腺疾患が原因の可能性もあります。心配な方は当院までご相談ください。適切な検査を行います。
また、受診時に、どのように頭痛の性状が変わったのか詳しく教えて頂けると診断に役立ちます。