そもそも甲状腺って何?機能や役割を解説

甲状腺の役割

甲状腺の位置とサイズ

甲状腺の位置とサイズ甲状腺は、首の前側、のど仏のやや下に位置し、蝶が羽を広げたような形となり、気管を取り囲むように癒着しています。サイズは縦4cmほどで、重さは20g以下となります。

柔らかく薄い形状のため、通常は外から触っても分かりづらいですが、腫大すると触れたら分かるようになります。腫大が悪化していくと、外から見ても腫れを認識できるようになります。

甲状腺の病気、どこで治療すればいい?内分泌内科について
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甲状腺の機能

体内では、男性ホルモンや女性ホルモン、副腎皮質ホルモンなど様々なホルモンが分泌されています。ホルモンを分泌する臓器は内分泌器官と呼ばれ、甲状腺はその1つです。甲状腺は、海藻などの食物に含まれるヨウ素を原料として甲状腺ホルモンを分泌しています。

甲状腺ホルモンとは

甲状腺ホルモンとは食物に含まれる脂肪やタンパク質、炭水化物は、体内に取り込まれると代謝され、エネルギーとなります。甲状腺ホルモンは、この新陳代謝を促す作用を持っています。また、胎児や子どもの成長にも大きく影響します。

甲状腺ホルモンは2種類に分けられ、3つのヨウ素が結合したT3(トリヨードサイロニン)と、4つのヨウ素が結合したT4(サイロキシン)があります。

甲状腺で合成されるのはT4が多く、T3は肝臓などの別の臓器からT4をもとにして合成されることが多いです。 T3・T4のほとんどは血中のタンパク質と結びつきます。実際、ホルモンとして機能しているのは、タンパク質と結びついていないFT4(遊離T4:Free T4)とFT3(遊離T3:Free T3)です。血液検査では、FT3とFT4をチェックします。

当院では、当日30分から40分で甲状腺ホルモンの結果が出る検査機器を導入しております。合わせて原則として当日に甲状腺超音波検査ができる体制を整えております。

下垂体の役割

脳下垂体では、血中の甲状腺ホルモンが一定に保てるように常に監視しています。甲状腺ホルモンが不足している場合、脳下垂体から甲状腺刺激ホルモン(TSH)が分泌され、甲状腺を刺激して甲状腺ホルモン(T3・T4)の分泌量を多くします。

反対に、血中の甲状腺ホルモンが過多になっている場合、甲状腺刺激ホルモンの分泌がストップし、甲状腺ホルモンが少なくなります。この甲状腺ホルモンを調整する仕組みはフィードバック機構と呼ばれます。これにより、血中の甲状腺ホルモンは正常値に保たれます。

甲状腺ホルモンが増えたり減ったりすると…

甲状腺ホルモンが増えたり減ったりすると…甲状腺ホルモンの分泌量が増加すると活性化し、全身の代謝が必要以上に促されます。その結果、倦怠感、集中力の低下などの症状を示し、スポーツをされている方はスコアに影響してしまいます。その他、多汗、暑がり、頻脈、動悸、息切れ、手の震え、イライラ、食欲亢進、のどの渇き、不眠、抜け毛、爪の先が白くなる、下痢、かゆみ、微熱、眼球突出などの症状が起こることもあります。

一方、ホルモンの分泌量が少なくなると心身ともに影響が生じますが、はじめは自覚症状が乏しいため、注意しなければなりません。主な症状としては、倦怠感、発汗量の低下、乾燥、寒がり、徐脈、徐脈に伴う筋力低下、意欲低下、物忘れ、抜け毛、便秘、眠気、皮膚の蒼白などが挙げられます。また、代謝が低下することで、食欲は低下しますが、体重は増加します。他にも、顔を含む全身がむくみ、のどがむくむことで声がかすれるようになります。

いずれにせよ、甲状腺に腫れが生じます。上記に挙げた症状が4つ以上該当する場合、当院を受診して、血液検査を受けることをお勧めします。

甲状腺疾患は女性に多い

甲状腺疾患は女性に多い甲状腺疾患は誰しもが発症する疾患で、自覚症状がなかったとしても検査で偶然発見されることがあります。
特に女性に起こりやすく、体調不振が続いている場合、甲状腺ホルモンに異常が起きていることも可能性として考えられます。

気力低下、倦怠感、肌荒れ、ほてり、動悸、便秘、微熱、脱毛などの症状が起きている場合、年齢が原因と勘違いしたり、更年期障害やうつ病と誤診されたりすることもあります。甲状腺ホルモン異常は、全身に様々な症状を起こしますが、はっきりとした痛みや急性の変化が起こることはあまりないです。

生活に影響が出ているわけではないので、病院への受診や検査を受けていない方が多数いらっしゃいます。はっきりとした症状がないとしても、健康診断や人間ドックを受けた結果、高血糖やコレステロール異常、筋肉障害、肝機能障害と異常を指摘された場合、甲状腺機能異常が起きている可能性があります。

甲状腺のことで気になる場合はご相談ください

甲状腺のことで気になる場合はご相談ください検査で異常を指摘された、または自覚症状がある方は、一度当院までご相談ください。

症状の内容を確認し、血液検査や超音波検査などを実施します。
また、甲状腺ホルモンの異常は、不妊や流早産など、妊娠・出産に支障が出る可能性があります。そのため、早期の対策が求められます。

当院では、当日30分から40分で甲状腺ホルモンの結果が出る検査機器を導入しております。合わせて原則として当日に甲状腺超音波検査ができる体制を整えております。

気になる場合、お気軽に当院までお気軽にご相談ください。

 

当院での甲状腺疾患に対するサポート

蒲田駅前やまだ内科糖尿病・甲状腺クリニックでは、甲状腺疾患に対して包括的なサポートを提供しています。当院では、経験豊富な医師による診療で、甲状腺の問題を迅速に診断し、患者様に合わせた治療プランを提案しています。

当院の特徴と診療内容

  • 専門的な診察
    甲状腺疾患に特化した外来を持つ当院では、患者様一人ひとりに丁寧な診察を行い、適切な診断を提供しています。症状が不明瞭な場合でも、詳細な問診と検査を行い、甲状腺の状態を正確に把握します。

  • 長期的なフォローアップ
    甲状腺疾患は慢性的な疾患であり、定期的なフォローアップが必要です。当院では、患者様の経過を長期的に観察し、治療方針の見直しや必要なサポートを提供しています。安心して通院できる環境を整えており、治療効果が最大限に発揮されるようサポートいたします。

甲状腺に関する不安や疑問がある方は、ぜひ当院にご相談ください。早期発見と定期的なフォローアップが、健康を維持するための最良の方法です。ご予約やお問い合わせは、お電話または当院受付までお気軽にどうぞ。


監修者プロフィール
院長 山田 朋英 (Tomohide Yamada)
医学博士 (東京大学)

山田院長は、糖尿病・甲状腺・内分泌内科の専門医であり、東京大学で医学博士号を取得しています。東大病院での指導医としての経験や、マンチェスター大学、キングスカレッジロンドンでの客員教授としての国際的な研究経験を持ち、生まれ故郷の蒲田でクリニックを開院しました。

資格・専門性
日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医・研修指導医
日本内科学会 総合内科専門医
豊富な臨床と研究の経験を活かし、糖尿病や甲状腺疾患の診断と治療を提供しています。

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