ふくらはぎがつるのは糖尿病が原因かも?

ふくらはぎがつるのは糖尿病が原因かも?

「ふくらはぎが頻繁につるのは、もしかしたら糖尿病が原因かもしれません」と言われると驚かれる方も多いかもしれません。

ふくらはぎの痙攣(けいれん)や足のつりは、運動不足や水分・ミネラルの不足で起こることが一般的ですが、糖尿病の症状や合併症として現れることもあります。糖尿病になると、血糖値が高い状態が続き、血液の流れや神経にダメージが蓄積されてしまいます。その結果、末梢神経が損傷し、筋肉が収縮しやすくなるため、ふくらはぎがつりやすくなることがあるのです。また、糖尿病では血行不良も起こりやすく、特に足先などの末端部分に影響が出やすいため、痛みや痺れ、足が冷えるといった症状も見られることがあります。

もし頻繁に足がつったり、足の感覚が鈍くなるといった症状がある場合、単なる疲労や栄養不足とは異なる原因が隠れているかもしれません。この記事では、糖尿病と足の痙攣の関係、改善方法、そして医師に相談するべきポイントについて詳しく解説していきます。糖尿病が原因である場合、早めの対策が健康な生活の鍵となります。

糖尿病の3大合併症

 ふくらはぎがつるってどういうこと?

「ふくらはぎがつる」というのは、ふくらはぎの筋肉が突然強く収縮し、痛みを伴う状態を指します。医学的には「筋痙攣(きんけいれん)」や「筋クランプ」とも呼ばれ、特に夜間や運動中に起こることが多いです。この状態は、筋肉が過度に収縮し、弛緩(しかん)できなくなることで生じ、ふくらはぎに鋭い痛みが走ります。つる原因としては、筋肉疲労、水分やミネラル(特にカリウムやマグネシウム)の不足、血行不良などが考えられます。また、糖尿病などの慢性疾患による神経障害や血行障害も原因の一つとなる場合があります。つりが頻繁に起こる場合は、筋肉への負担が大きくなっている可能性があり、生活習慣や健康状態の見直しが必要かもしれません。適度なストレッチや水分補給を心がけ、必要に応じて医師に相談することも大切です。

なぜ糖尿病でふくらはぎがつるの?

糖尿病が原因でふくらはぎがつることがあるのは、主に神経や血行に影響が出るためです。糖尿病では、血糖値が長期間高い状態が続くと、末梢神経や血管にダメージが蓄積され、これが筋肉の健康や働きに悪影響を及ぼします。具体的には、糖尿病による「末梢神経障害」と「血行障害」がふくらはぎのつりにつながる大きな要因です。

まず、糖尿病による末梢神経障害は、体の末端部分である足にしびれや痛み、異常な感覚を引き起こします。末梢神経が傷つくと、筋肉が正常に動かすための指令がうまく伝わらなくなり、ふくらはぎの筋肉が異常に収縮しやすくなります。この結果、筋肉が突然収縮してつる現象が発生し、痛みを伴うことが多くなります。

また、糖尿病による血行障害もふくらはぎがつる原因となります。血糖値が高い状態が続くと、血管の壁が硬くなり、血液の流れが悪くなります。血流が不足すると、筋肉に十分な酸素や栄養が行き渡らなくなり、筋肉が正常に働かないだけでなく、疲労が溜まりやすくなります。この状態で、少しの運動や体勢の変化が加わると、ふくらはぎの筋肉が突然つりやすくなるのです。

さらに、糖尿病患者は高血糖の影響で脱水状態になることも多く、水分やミネラルのバランスが乱れやすくなります。カリウムやマグネシウムといったミネラルの不足も筋肉の痙攣を引き起こす要因となるため、糖尿病で水分や栄養素が不足しがちな方は、特に注意が必要です。

このように、糖尿病がふくらはぎのつりを引き起こす原因は複数ありますが、生活習慣の見直しや治療の一環で症状を緩和することも可能です。症状が続く場合は、医師に相談し、適切な対策をとることが大切です。

 

ふくらはぎがつる場合の予防法

ふくらはぎがつるのを予防するためには、日常生活でいくつかのポイントを意識することが効果的です。
まず、水分補給が大切です。脱水やミネラル不足は筋肉がつる原因となるため、特に運動後や暑い季節にはこまめに水分を摂取し、必要に応じてカリウムやマグネシウムを含むミネラルを補給しましょう。次に、ふくらはぎのストレッチを習慣にすることもおすすめです。毎日少しずつストレッチを行い、筋肉の柔軟性を高めることで、つりにくい状態を維持できます。
また、血行を促進するために足を温めることも効果的です。入浴時に温かいお湯でふくらはぎをマッサージしたり、冷えが気になる場合はレッグウォーマーを活用するのも良いでしょう。最後に、栄養バランスのとれた食事を心がけ、筋肉の健康に必要な栄養素を十分に摂取することも重要です。

当院でのサポート

当院では、糖尿病に関する診断や治療を専門に行っており、ふくらはぎがつるといった症状についても詳しく対応しています。糖尿病の管理が難しいと感じる方や、足がよくつると感じる方は、ぜひ一度ご相談ください。経験豊富な医師が、あなたに最適な治療プランを提案し、健康をサポートします。
ふくらはぎがよくつるのは、糖尿病が原因である可能性があります。糖尿病による神経障害や血流の問題が影響していることがあるため、早めに専門医に相談しましょう。当院では、糖尿病に関する詳しい診察と治療を行っていますので、安心してご相談ください。
厚生労働省 - 糖尿病に関する情報
日本糖尿病学会 -糖尿病について
国立国際医療研究センター - 糖尿病について

 

監修者プロフィール

院長 山田 朋英 (Tomohide Yamada)
医学博士 (東京大学)

山田院長は、糖尿病・甲状腺・内分泌内科の専門医であり、東京大学で医学博士号を取得しています。東大病院での指導医としての経験や、マンチェスター大学、キングスカレッジロンドンでの客員教授としての国際的な研究経験を持ち、生まれ故郷の蒲田でクリニックを開院しました。

資格・専門性

  • 日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医・研修指導医
  • 日本内科学会 総合内科専門医

豊富な臨床と研究の経験を活かし、糖尿病や甲状腺疾患における最新の治療を提供しています。

 
 
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