ふくらはぎがつるのは糖尿病が原因かも?
「ふくらはぎが頻繁につるのは、もしかしたら糖尿病が原因かもしれません」と言われると驚かれる方も多いかもしれません。
ふくらはぎの痙攣(けいれん)や足のつりは、運動不足や水分・ミネラルの不足で起こることが一般的ですが、糖尿病の症状や合併症として現れることもあります。糖尿病になると、血糖値が高い状態が続き、血液の流れや神経にダメージが蓄積されてしまいます。その結果、末梢神経が損傷し、筋肉が収縮しやすくなるため、ふくらはぎがつりやすくなることがあるのです。また、糖尿病では血行不良も起こりやすく、特に足先などの末端部分に影響が出やすいため、痛みや痺れ、足が冷えるといった症状も見られることがあります。
もし頻繁に足がつったり、足の感覚が鈍くなるといった症状がある場合、単なる疲労や栄養不足とは異なる原因が隠れているかもしれません。この記事では、糖尿病と足の痙攣の関係、改善方法、そして医師に相談するべきポイントについて詳しく解説していきます。糖尿病が原因である場合、早めの対策が健康な生活の鍵となります。
ふくらはぎがつるってどういうこと?
なぜ糖尿病でふくらはぎがつるの?
糖尿病が原因でふくらはぎがつることがあるのは、主に神経や血行に影響が出るためです。糖尿病では、血糖値が長期間高い状態が続くと、末梢神経や血管にダメージが蓄積され、これが筋肉の健康や働きに悪影響を及ぼします。具体的には、糖尿病による「末梢神経障害」と「血行障害」がふくらはぎのつりにつながる大きな要因です。
まず、糖尿病による末梢神経障害は、体の末端部分である足にしびれや痛み、異常な感覚を引き起こします。末梢神経が傷つくと、筋肉が正常に動かすための指令がうまく伝わらなくなり、ふくらはぎの筋肉が異常に収縮しやすくなります。この結果、筋肉が突然収縮してつる現象が発生し、痛みを伴うことが多くなります。
また、糖尿病による血行障害もふくらはぎがつる原因となります。血糖値が高い状態が続くと、血管の壁が硬くなり、血液の流れが悪くなります。血流が不足すると、筋肉に十分な酸素や栄養が行き渡らなくなり、筋肉が正常に働かないだけでなく、疲労が溜まりやすくなります。この状態で、少しの運動や体勢の変化が加わると、ふくらはぎの筋肉が突然つりやすくなるのです。
さらに、糖尿病患者は高血糖の影響で脱水状態になることも多く、水分やミネラルのバランスが乱れやすくなります。カリウムやマグネシウムといったミネラルの不足も筋肉の痙攣を引き起こす要因となるため、糖尿病で水分や栄養素が不足しがちな方は、特に注意が必要です。
このように、糖尿病がふくらはぎのつりを引き起こす原因は複数ありますが、生活習慣の見直しや治療の一環で症状を緩和することも可能です。症状が続く場合は、医師に相談し、適切な対策をとることが大切です。
ふくらはぎがつる場合の予防法
当院でのサポート
日本糖尿病学会 -糖尿病について
国立国際医療研究センター - 糖尿病について
監修者プロフィール
院長 山田 朋英 (Tomohide Yamada)
医学博士 (東京大学)
山田院長は、糖尿病・甲状腺・内分泌内科の専門医であり、東京大学で医学博士号を取得しています。東大病院での指導医としての経験や、マンチェスター大学、キングスカレッジロンドンでの客員教授としての国際的な研究経験を持ち、生まれ故郷の蒲田でクリニックを開院しました。
資格・専門性
- 日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医・研修指導医
- 日本内科学会 総合内科専門医
豊富な臨床と研究の経験を活かし、糖尿病や甲状腺疾患における最新の治療を提供しています。