ナッシュ(NASH)と糖尿病の関係は?

ナッシュ(NASH)と糖尿病の関係は?

「ナッシュ(Non-Alcoholic SteatoHepatitis; NASH)」という病気は、あまり聞き慣れないかもしれませんが、糖尿病と深い関係があります。
ナッシュは「非アルコール性脂肪肝炎」という病気で、脂肪が肝臓にたまり、炎症を引き起こす状態です。
このページでは、ナッシュと糖尿病の関係について、わかりやすく説明します。

ナッシュ(NASH)って何?

ナッシュ(NASH)は、肝臓に脂肪がたまり、肝臓が炎症を起こす病気です。

アルコールを飲んでいないのに脂肪肝になり、肝臓が腫れてしまうため、非アルコール性脂肪肝炎と呼ばれています。ナッシュは、進行すると肝硬変や肝がんになることがあるため、早めの治療が大切です。たとえるなら、ナッシュは「肝臓がオーバーワークで疲れてしまう」状態です。肝臓が脂肪でいっぱいになってしまい、うまく働けなくなるのです。

ナッシュは、初期の段階では自覚症状がほとんどありませんが、次のような症状が出ることがあります。

倦怠感(体がだるい)
右上腹部の痛み
肝機能の異常値(血液検査で発見される)

糖尿病がある人は、定期的な健康診断で肝臓の状態をチェックすることが大切です。

糖尿病との関係

 

糖尿病の人は、血糖値が高いため、体に余分なエネルギーがたまりやすくなります。この余分なエネルギーが脂肪として肝臓に蓄積され、ナッシュ(NASH)を引き起こすことがあります。

糖尿病とナッシュは、互いに悪影響を与えることがあり、糖尿病を治療しないとナッシュが悪化し、逆にナッシュが悪化すると糖尿病の管理が難しくなることがあります。

たとえるなら、糖尿病は「砂糖を入れすぎたエンジン」、ナッシュは「オイルでいっぱいになって動きが悪くなったエンジン」のような状態です。両方がうまく働かないと、体全体のバランスが崩れてしまいます。

アルコール性脂肪肝炎 (NASH) は、組織学的に脂肪変性、炎症、肝細胞傷害を認めることが特徴です。進行性で肝硬変や肝癌の発症母地となります。

NASH発症の最も重要な因子は肥満であり、主な背景としてインスリン抵抗性の増悪及びメタボリックシンドロームとその関連疾患があります。その中でも、特に2型糖尿病はNAFLD/NASHの発症、病態進展に強い関連があります。

 

ナッシュと糖尿病の治療

ナッシュと糖尿病の治療には、まず生活習慣の改善が大切です。また、減量、肥満の解消などの、インスリン抵抗性を改善させることが必要となります。

食事の見直しや運動を取り入れることで、肝臓にたまった脂肪を減らし、糖尿病の管理も向上させることができます。また、医師の指導のもとで薬を使うこともあります。

たとえるなら、「車のエンジンをメンテナンスし、燃料を調整する」ように、体をしっかりとケアしていく必要があります。

 

当院でのサポート

 

ナッシュ(NASH)は、糖尿病と深い関係がある病気です。

当院では、ナッシュや糖尿病に関する診断と治療を行っています。糖尿病の管理が難しいと感じている方や、肝臓の健康が気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。

腹部エコー、各種肝機能に関する血液検査など、経験豊富な医師が、あなたに最適な治療プランを提案し、健康をサポートします。

厚生労働省 - 糖尿病に関する情報
日本糖尿病学会 -糖尿病について
国立国際医療研究センター - 糖尿病について

糖尿病は早期発見・治療が重要であり、適切な管理を行うことで合併症のリスクを低減し、健康な生活を維持することが可能です。75gOGTTやHOMA評価は、糖尿病リスクを確認し、適切な治療を受けるために有効な手段です。

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監修者プロフィール
院長 山田 朋英 (Tomohide Yamada)
医学博士 (東京大学)

山田院長は、糖尿病・甲状腺・内分泌内科の専門医であり、東京大学で医学博士号を取得しています。東大病院での指導医としての経験や、マンチェスター大学、キングスカレッジロンドンでの客員教授としての国際的な研究経験を持ち、生まれ故郷の蒲田でクリニックを開院しました。

資格・専門性
- 日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医・研修指導医
- 日本内科学会 総合内科専門医

豊富な臨床と研究の経験を活かし、糖尿病や甲状腺疾患における最新の治療を提供しています。

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