甲状腺がんの症状をチェックしよう

甲状腺がんってどんな病気?

「甲状腺がん」という病気を聞いたことがありますか?甲状腺は首の前の部分にある小さな臓器ですが、ここにがんができることがあります。甲状腺がんは、早期に発見して治療を始めることが大切です。このページでは、甲状腺がんの症状をチェックできるように、わかりやすく説明します。
 
甲状腺がんは、甲状腺に発生する悪性腫瘍の一種です。甲状腺は首の前側に位置し、代謝を調整するホルモンを生成する小さな臓器です。甲状腺がんは比較的稀な癌ですが、特に女性に多く発症する傾向があります。甲状腺がんにはいくつかの種類があり、それぞれの進行の仕方や治療法が異なります。
 
最も一般的な甲状腺がんは「乳頭がん」と呼ばれ、全体の80%を占めます。乳頭がんは進行が遅く、治療によって良好な結果が期待できるケースが多いです。その他には、以下のような種類があります:
- **濾胞がん**:甲状腺がんの約10〜15%を占め、比較的ゆっくり進行するがんです。
- **未分化がん**:進行が非常に早く、他の臓器に転移しやすい難治性のがんです。発見時にはすでに進行していることが多く、予後が悪いことが多いです。
- **髄様がん**:甲状腺のC細胞から発生し、遺伝的な要因が関係していることがあり、家族性甲状腺がんとして知られています。
 
甲状腺がんは早期に発見されれば、治療が非常に有効であるため、定期的な検診や自己チェックが非常に重要です。早期発見が命を救うカギとなります。

たとえるなら、甲状腺がんは「体の中にゆっくりと広がる小さなトラブル」であり、早めに対処することで大きな問題になるのを防ぐことができます。

甲状腺がんの主な症状をチェックしよう

甲状腺がんの症状は、他の病気と似ていることがあり、気づきにくいこともあります。以下のような症状に心当たりがある場合は、医師に相談することをおすすめします。

 

甲状腺がんは初期にはほとんど自覚症状がないことが多く、がんが進行するまで気付かないことも少なくありません。しかし、いくつかの兆候に気を付けることで、早期に発見することが可能です。以下に、甲状腺がんの主な症状を紹介します。これらの症状が現れた場合は、早急に医師の診察を受けることをお勧めします。
 
1. 首にしこりや腫れがある
甲状腺がんの最も一般的な兆候は、首にできるしこりです。しこり自体に痛みは感じないことが多く、首の前面、特に喉の付近に小さな硬いしこりができることがあります。このしこりは、時間が経つと少しずつ大きくなることがあり、気付いたときにはかなりの大きさになっていることもあります。
 
2. 声の変化
甲状腺がんが進行し、声帯の神経に影響を与えると、声がかすれたり、か弱くなったりすることがあります。突然の声の変化が見られ、長期間続く場合は、甲状腺に何らかの異常がある可能性があります。
 
3. 飲み込みにくさや息苦しさ
甲状腺がんが成長して周囲の組織や気管、食道に圧力をかけると、飲み込みにくさや息苦しさを感じることがあります。特に、飲食物が喉に引っかかる感じや、息を吸うのが難しくなる場合は、甲状腺がんの症状として現れることがあります。
 
4. 首や喉の痛み
甲状腺がんが進行してくると、首や喉、顎に痛みが広がることがあります。初期には痛みを感じないことが多いですが、痛みが徐々に増してくることがあります。
 
5. リンパ節の腫れ
甲状腺がんがリンパ節に転移すると、首のリンパ節が腫れることがあります。痛みはないことが多いですが、触れると異常に大きくなったリンパ節を感じることができます。
 
これらの症状のいずれかが見られた場合、必ずしも甲状腺がんが原因であるとは限りませんが、早めに医師の診断を受けることが重要です。

早期発見が大切!

甲状腺がんは、早期に発見されれば治療が非常に効果的です。特に乳頭がんや濾胞がんのように進行が遅いがんの場合、早期に治療を開始することで、ほとんどの患者が完全に治癒することができます。一方、未分化がんのように進行が早いがんの場合でも、早期発見が命を救う可能性があります。
 
1. 定期的な検診の重要性
甲状腺がんは、早期にはほとんど症状がないため、定期的な健康診断が重要です。特に、甲状腺の異常が疑われる家族歴がある方や、甲状腺疾患の既往歴がある方は、定期的に甲状腺の検査を受けることを強くお勧めします。超音波検査や血液検査を通じて、早期の異常を発見することが可能です。
 
2. 自己チェックを習慣に
日常的に、自分で首をチェックする習慣をつけることも有効です。鏡の前で首を観察し、しこりや腫れがないかを確認してください。また、指で軽く触れて、異常を感じる部分がないかを調べるのも効果的です。早期の異常に気付くために、自己チェックを定期的に行うことが大切です。
 
3. 早期治療の効果
早期に発見された甲状腺がんは、手術や放射線療法、放射性ヨウ素療法といった治療によって、非常に高い確率で治癒します。特に乳頭がんや濾胞がんの場合、治療成績は非常に良好であり、術後も健康な生活を続けることができます。未分化がんや髄様がんのような進行が早いがんでも、早期に治療を開始すれば、病気の進行を遅らせることが可能です。
 
甲状腺がんの早期発見は、患者の生存率や生活の質を大きく向上させます。定期的な検診と自己チェックを習慣にすることで、健康を守ることができます。

当院でのサポート

当院では、甲状腺がんに対する包括的な診断と治療を提供しています。患者様一人ひとりの症状や状態に応じて、最適な治療プランを提案し、早期発見と効果的な治療をサポートいたします。
 
1. 専門的な診断
甲状腺がんの診断には、超音波検査や細胞診検査が一般的に用いられます。超音波検査では、甲状腺のしこりや腫瘍の有無を確認し、必要に応じて細胞診を行います。細胞診では、甲状腺から採取した細胞を顕微鏡で調べ、がん細胞の有無を確認します。また、血液検査を通じて甲状腺ホルモンのバランスや腫瘍マーカーを調べることも重要です。細胞診検査の際は専門医療機関にご紹介します。
 

まとめ

甲状腺がんは、初期には自覚症状が少ないため、早期発見が非常に重要です。首にしこりや声の変化、飲み込みにくさといった兆候が見られた場合、早めに医師の診察を受けることをお勧めします。定期的な検診や自己チェックを行うことで、甲状腺がんを早期に発見し、治療することが可能です。
 
当院では、甲状腺がんに対する専門的な診断と治療を提供しており、患者様の健康を全力でサポートしています。甲状腺に関するお悩みがある方は、ぜひ当院にご相談ください。
 
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## 監修者プロフィール  
**院長 山田 朋英 (Tomohide Yamada)**  
**医学博士 (東京大学)**  
 
山田院長は、糖尿病・甲状腺・内分泌内科の専門医であり、東京大学で医学博士号を取得しています。東大病院での指導医としての経験や、マンチェスター大学、キングスカレッジロンドンでの客員教授としての国際的な研究経験を持ち、生まれ故郷の蒲田でクリニックを開院しました。
 
**資格・専門性**  
- 日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医・研修指導医  
- 日本内科学会 総合内科専門医  
 
豊富な臨床と研究の経験を活かし、糖尿病や甲状腺疾患における最新の治療を提供しています。
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